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ふと

ふと出会った道端の草花、不思議な場所、ふと手にした興味深い本..。.日常の中のふとしたことを綴ります。

カフェで読了 二人の愛人。

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たま〜に訪れる近所のカフェ。流行りのプロカント風。雰囲気もさることながら、わけても平日の午後は静かなこと、そしてその静けさを味わうためにほかにはない古本が置いてあるところが気に入っている。

 

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このところ読んでいたのはミュッセの「二人の愛人」。100ページほどの短編。新潮文庫の中でも薄い本のベストテンに入るのではと思われるほど薄い。それでも字は本当に小さくて(暗い店内で、乱視用コンタクトをして読むのは一苦労なほど)今の文庫の4分の1ぐらい? なので、きょうで5回目ぐらいだろうか。やっと読了した。

 

古い文庫本はカウンター前の籠の中に無造作に置いてあるのだけれど、この「二人の愛人」を読んでいるのはわたしだけだったらしい。行くたびに、わたしが挟んだ紐の栞の位置がそのままで、日が経っているので、行くまでは前後の話をあまり覚えていないのだけれど、栞のページを開けてちょっと前を読むと、ああそう、そこまで読んだんだった‥とすぐに思い出すことができた。

 

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ミュッセといえば、19世紀を生きたフランスのロマン主義の作家、らしい。この短編が初めてだったが、短いからというだけでなく、読みやすかった。要は当時としては恵まれた貴族の家系に生まれた若者が、働きもせず、吟遊詩人のような毎日を送っていて、その中で、二人のとてもよく似た(容姿や雰囲気がよく見ると、ということ)女性を同時に好きになるというお話。一方は既婚だが夫は常に留守にしているお金持ちのマダム、方や質素な部屋で母親と二人で暮らす未亡人というシチュエーション。その間を行ったり来たりする浮ついた若い男の心境を友人である「奥様」という第三者(読者)に打ち明ける、という形式で書かれている。

で、わたしは結構、この小説のなんとも煮え切らないような、こんなの恋と言えるの?というような、映像が浮かび上がってくるようでこない、なんとも中途半端な韻律が嫌いじゃなかったんですよね。主人公の25歳の青年、ヴァランタンに、このろくでもない優男が!!と思いながらも。。

しかし!(◎_◎;)

きょうやっと目にした最後の結末。こんな終わりありか〜ミュッセよー!(◎_◎;)と叫びたくなるような“落ち”でした。。短い小説なので、ちょっとでも興味を持ってくださった方、ぜひ最後の落ちをお楽しみに。。

 

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わたしがフランスの小説でいちばん好きなのは、「レ・ミゼラブル」もですが、それよりももっと、文字通り体が震えるほどの感動を受けた本と言えば、ロジェ・マルタン・デュ・ガールが、1922年から1940年にかけて発表した大河小説「チボー家の人々」です(1937年ノーベル賞受賞作)。こちらは8部11巻からなる大大長編。それでも人生で一回は読んでほしい。そしてこのチボー家を最後まで読んだ人だけで語り合いたい。いつか、そんな機会があれば、と思っています。

 

#二人の愛人 #ミュッセ #フランス #ロマン主義 #ロジェ・マルタン・デュ・ガール #チボー家の人々